糖化のメカニズム

日々の食事が老化物質を生み出す

糖化が関与する疾患

私たちの体を構成している細胞は、食事から摂取した糖をエネルギーとして生命活動を営んでいます。
このため、血液中には空腹時でもおよそ80〜100mg/dL(100mlの血液中に80〜100mg)のブドウ糖が含まれ、血糖と呼ばれます。
この血糖がたんぱく質と反応することを糖化(glycation:グリケーション)といい、糖化反応によってできる物質をAGEs(Advanced Glycation End-products:糖化最終生成物)と総称しています。
いったんできたAGEsは分解されず、AGEsの蓄積が進むほど老化も進むことが明らかにされ、老化物質とも呼ばれています。
私たちの体は約15%がたんぱく質でできていますので、糖化を完全に防ぐことはできませんが、高血糖(空腹時で126mg/dL以上)が続くと、余分な糖が体内で糖化反応を引き起こし、老化を加速させることがわかってきました。

肌のたるみ・黄ぐすみ、骨の劣化は糖化が原因

糖化による肌の弾力低下

肌の黄ぐすみは、皮膚のたんぱく質が糖化した「肌コゲ」ともいうべき症状です。糖尿病の方がチョコレートがかった肌の色をしているのは、高血糖のために肌の糖化が進んでいる証拠とみられています。
また、皮膚の真皮は約70%をコラーゲンの線維が占め、互いに橋をかけあうように結合(架橋結合)することで、肌のハリが保たれていますが、AGEsは余分な架橋結合(悪玉架橋)を増加させ、その結果肌は弾力を失い、硬くなるのです。
また、骨の土台となる骨基質の実に90%がコラーゲンで形成されており、糖化によってAGEsが増えると骨基質がもろくなり、骨はチョークのように折れやすくなります。
この糖化反応は1912年、フランスの科学者L.C.メイラードがアミノ酸と糖を加熱すると褐色の色素(メラノイジン)が生成する反応を発見して以来、食品科学の分野では「メイラード反応」として広く知られてきました。
フランスパンやローストチキンのパリパリに焦げた皮、チョコレート、デミグラスソースやカラメルソースなどはいずれもメイラード反応に伴う褐色化と香りで食欲を刺激してくれますが、同じ反応が私たちの体内でも起き、老化が加速しているのです。

糖化・酸化されたLDLが動脈硬化を促進

「人は血管から老いる」といわれるように、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高め、健康長寿を損なう大きな要因となります。
動脈硬化といえば、悪玉とされるLDLコレステロールの値が上がった、下がったと健康診断のたびに一喜一憂している方も多いと思います。
LDL(低比重リポたんぱく)はコレステロールを乗せて運ぶたんぱく質でできた船のようなもので、血液中に余分な糖が存在すると、船が糖化され、血管壁に漂着します。その船を解体するために免疫細胞が集まり、さかんに活性酸素を放出します。
こうしてLDLが糖化されてできるAGEs(老化物質)の蓄積と、多量に放出される活性酸素による酸化ダメージが動脈硬化を促進することがわかっていますので、血管の老化を防ぐには、コレステロールだけでなく、抗糖化と抗酸化の対策が必要になります。